ハイスピードカメラ撮影における三脚の役割は、主に
の3つが挙げられます。
「ブレを抑える」は、撮像にブレが発生してまうとその後の画像計測に大きく悪影響を及ぼすので、まずはしっかりとカメラを固定して運用することが前提です。カメラを適切な三脚に固定し、ブレを抑えて初めて「正確なピント合わせ」が可能になります。ピントが甘いと画像計測の精度に影響を及ぼすだけでなく、正確に現象を把握することが難しくなります。
「適切な画角調整」は、目的に応じた三脚を使用すれば、どこまでの範囲を画角の中に収めるか?が確認できます。拡大撮影のようなシビアな撮影条件でも微調整が行いやすく、精度の高いハイスピード撮影を行うことができます。
ハイスピードカメラ-製品ラインナップ
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大型三脚+ハイスピードカメラPhantom
中型三脚+ハイスピードカメラk8-USB
三脚には様々な大きさや重さ、材質があります。取り付けるカメラやレンズの大きさと重量、撮影する内容によって最適なものを選びます。
三脚は大きさと重さで
の大きく4種類に分類されます。
ハイスピードカメラを用いた画像計測で多く使われるのは「大型」「中型」の2種類です。基本的に、三脚の安定性や堅牢性は大きさに比例して高くなるのが一般的です。従って、使用するカメラが大きくて重い場合や望遠レンズを使用する時など、少しのブレが大きく影響するため、三脚はできるだけ大きくてしっかりとしたものを選ぶことが大切です。
脚の材質がアルミで出来ており、現在最も普及しているタイプです。傷や衝撃にも強く現場計測に向いています。耐久性もありつつコストも安く抑えたものが多く、リーズナブルな価格で購入できます。
剛性と軽さを兼ねた三脚です。同クラスのアルミ三脚より価格は高くなりますが、軽く取り扱いやすいことが特徴です。カーボンは割れる可能性があるので、落としたりぶつけたりすると破損する可能性が高いため、画像計測の分野ではあまり用いられません。
ビデオカメラなど動画撮影のために設計されていることが特徴です。カメラを上下左右に傾けるためのチルトや回転調節ができるロール操作ができます。
しかし、チルト調整が行いづらいデメリットがある為、画像計測ではあまり用いられません。
最もスタンダードなタイプの雲台です。上下左右に位置を調整できるだけでなく、チルト調整も可動域が広く取れるメリットがあります。レバーが搭載されていて、操作性に優れている点もおすすめです。
シビアな画角調整が求められる画像計測では、3way雲台の三脚を使用することが一般的です。弊社からご案内させていただく三脚は、すべて3way雲台の仕様となります。
パン雲台
カメラを取り付けた状態
水平(前後左右)方向のみ動かせる雲台です。3wayやビデオ雲台のようにチルトやロール方向の向きは変えられません。例えば、マイクロズームレンズのように被写界深度が非常に浅いレンズでピントを合わせる場合、数ミリ単位で被写体とレンズの位置を合わせこむことができるので、接写する拡大撮影に便利です。マイクロPIVなど局所的で、撮影範囲が狭くシビアな計測に最適です。
フレキシブルアームにミラーを取り付け
超音波ソナー端子を取り付けた状態
様々な環境で計測を行う中、機材の設置が難しい環境で撮影する場合もあります。三脚以外の治具を用いることで撮影がうまくいく場合もあります。
例えば、カメラの設置が狙った位置に置けない場合、フレキシブルアームにミラーを取り付けて任意の方向に反射させることで、撮影したいポイントを合わせこむことが可能です。また、計測対象をフレキシブルアームに取り付けて、固定しづらい小さな対象でも安定した撮影ができるようになります。
生産現場での計測は、製造装置が周辺に多く設置されていることで、三脚でカメラを設置することが困難な場合があります。左図は、レーザー溶接中の溶融池流動をハイスピード撮影している事例です。ワークのサイズが大きく、カメラの設置が難しい為、特殊な台に雲台やXYステージを組み合わせています。カトウ光研では、多様な現場環境の撮影実績から、お客様に最適な治具をご案内させていただきます。
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