塗装の異物対策|微粒子の可視化技術

塗装の異物対策

塗装の異物対策_自動車

塗装の異物対策は、高品質な塗装仕上げを実現するために不可欠です。塗料中のゴミ、ホコリ、塗料の凝集物などが混入すると、ピンホール、クレーター、ヘーズといった塗膜欠陥が発生し、腐食や塗膜剥離の原因となることがあります。これらの問題を防止するためには、徹底した異物混入防止対策の実施が求められます。

異物を見える化する技術|微粒子可視化システム


異物が塗装に与える影響

外観への影響

塗装の異物対策_外観

塗装に異物が混入すると外観に深刻な影響を与えることがあります。異物が表面に付着することで、塗装面が滑らかで均一な仕上がりにならず、見た目に不具合が生じます。このような問題は、塗装の質感や光沢に悪影響を及ぼし、製品や建築物の美観を大きく損なう原因となります。

表面の凸凹:
異物が塗装面に入り込むことで、仕上がりが均一にならず、表面に凸凹が生じます。この凸凹が光に反射して不自然な影を作り、仕上がりが粗雑に見える原因となります。

塗装のムラ:
異物が混入すると、塗料が均等に広がらず、色ムラや艶のばらつきが発生します。これにより、製品の外観が不統一に見えることがあります。

塗膜の欠損や剥がれ:
異物が塗膜内部に残っていると、塗装後に剥がれやすくなる部分が生じ、外観上にクラックや剥離が発生します。このような欠陥は特に、塗装後の時間が経つにつれて目立つようになります。

塗装の耐久性と劣化に与える影響

塗装の異物対策_塗装面

塗装に異物が混入すると、塗膜の耐久性に大きな影響を与えます。異物が塗膜に残ることで、表面だけでなく内部からの劣化が進行し、塗装の寿命が短くなる原因となります。この問題は、特に耐久性が求められる屋外や過酷な環境下での塗装において顕著です。

塗膜の弱体化:
異物が塗装中に塗膜内部に埋まると、その部分の塗膜が弱くなります。異物を中心に小さな空隙や欠損が生じやすく、塗膜全体の強度が低下します。この結果、外的なストレス(温度変化、湿度、衝撃など)に対する耐性が弱まり、塗膜がひび割れたり剥がれたりするリスクが増します。

劣化の加速
塗膜内に異物があることで、湿気や酸素などの外部要因が塗膜内部に浸透しやすくなります。この浸透が進むと、塗膜が早期に劣化する原因となります。特に防錆塗装や防水塗装の場合、異物混入が原因で本来の性能が発揮されないことがあり、劣化を加速させる要因となります。

塗装の剥がれ
異物が塗膜に付着した状態では、塗料が塗布面にしっかりと密着できず、時間が経つにつれて塗膜が剥がれやすくなります。これにより、定期的なメンテナンスや再塗装が必要になるなど、塗装の耐久性に深刻な影響を及ぼします。

環境要因による影響

塗装の異物対策_塗装ブース

塗装において、異物対策だけでなく、環境要因も塗膜の品質や耐久性に大きな影響を与えます。塗装作業が行われる環境は、湿度、温度、風速、そして塗装現場の清潔さなどの外部要因に左右され、これらの要因が塗装に直接的な影響を及ぼします。環境要因を無視した塗装は、異物対策をしていても塗膜の劣化を早める可能性があるため、適切な管理が不可欠です。

湿度:
塗装作業において湿度が高いと、塗料が乾燥しにくくなり、塗膜が不完全に仕上がることがあります。湿度が高い環境では、空気中の水分が塗料に混入し、塗膜が水分を吸収して脆弱化するリスクが増します。特に防錆や防水塗装では、湿度の影響で錆が発生しやすくなり、塗装の効果が減少することがあります。

温度
温度が高すぎると塗料が早く乾燥し、塗膜が均一に広がらず、仕上がりがムラになることがあります。一方、低すぎる温度では塗料が十分に乾燥せず、塗膜が柔らかくなることで、耐久性が低下します。温度変化が激しい環境では、塗膜が膨張・収縮を繰り返すため、ひび割れや剥離が発生しやすくなります。

風速・風向き
塗装現場で風速が高いと、空気中のゴミや粉塵が塗装面に付着しやすくなり、異物混入のリスクが高まります。また、塗料が飛散しやすく、ムラの原因にもなります。特に屋外での塗装作業では、風による異物や不均一な塗装仕上げのリスクが増すため、風速や風向きの管理が必要です。


異物の発生原因

塗装の異物_発生原因

塗装の異物の発生原因は、作業環境、使用する道具や材料、作業者の管理不足など、様々な要因が複合的に作用して発生します。空気中の微粒子、特にPM2.5は塗装面に付着しやすく、塗膜の品質を低下させる主な要因の一つとされています。また、作業者の服装や工具に付着した異物が、塗装不良の原因となるケースが少なくありません。

異物の発生原因|主なまとめ

発生原因 詳細
作業環境 空気中の塵埃、ホコリ、花粉/温度・湿度の変化
塗料 塗料中の異物(不純物)/塗料の硬化不良
塗装装置 スプレーガン、塗装ロボット/塗装ブース内の汚れ
作業者 服装、髪、手袋からの異物混入/作業中の動作による異物発生
その他 塗装前の下地処理の不良/外部からの異物混入

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可視化による異物対策

カトウ光研では、微粒子の可視化技術による異物対策を提案しています。微細な異物を見える化して、塗装品質の安定化や生産効率の向上に貢献します。異物の浮遊、発塵、再付着など各プロセスを見える化することが可能です。

手に異物が付着している際の発塵

作業中の発塵を可視化しています。作業者の手に付着した異物が塗装製品に及ぼす影響を検証できます。

エアブローの効果を検証

エアブローによる異物飛散の様子を可視化し、集塵システムが浮遊粒子を効果的に捕集する様子を映像で捉えました。 可視化することで集塵システムが浮遊粒子の量を減少させることがわかり、作業環境改善の検討につながります。

ペイントミスト|集塵ノズルの形状の違いで比較

ペイントミストの拡散で集塵性能をノズルの大きさを変えて比較しています。ノズルが大きい方が集塵性能が高く、浮遊粒子の減少が速いことわかります。可視化映像から作業環境の改善を短時間で行うための検討ができます。

使用機材:微粒化可視化システムParticle Viewer PV2-L-CA

堆積した異物

塗装面に付着した微粒子を可視化し、拭き取りによる効果を検証しました。 高感度カメラと画像処理技術を用いた微粒子可視化システムにより、肉眼では確認が困難な微細な異物を捉え、拭き取り前後の状態を比較することでその効果を評価することが可能です。

➡異物の発塵・浮遊・堆積・再飛散を見える化するシステム一式のカタログをダウンロードする


塗装の異物についてよくある質問

塗装のブツとはなんですか?

塗装のブツとは、塗装面に不規則に発生する異物や凸凹を指します。通常、作業中や乾燥中に
塗装面に付着したホコリやゴミ、塗料の飛散物が原因で発生します。これらの異物が塗膜に
混入すると、仕上がりの外観を損ない、表面に凹凸ができたり、光沢や滑らかさが失われる
ことがあります。自動車や建築物などの塗装においては、品質を大きく左右するため、
ブツを防ぐための対策が重要です。

塗装の異物を減らすには?

塗装のブツを減らすためには、作業環境や塗装プロセス全体を管理することが重要です。
以下にポイントをまとめます。

作業環境の清潔さを維持する:
空気清浄機や換気システムを適切に稼働させ、塗装中に異物が塗膜に付着する
リスクを減少させます。
塗装機器や道具のメンテナンス:
使用する塗装機器や道具(スプレーガン、ブラシ、ローラーなど)を定期的に清掃し、
塗料や異物の残留を防ぎます。
作業者の異物対策:
塗装ブースに入る際、エアブローでホコリやゴミを除去。また、防塵マスクや手袋を
使用することで、作業者自身から付着を防ぎます。
温度と湿度の管理:
塗装環境の温度や湿度を適切に管理することで、塗料の乾燥が均一に進み、
異物が付着しにくくなります。

異物が付着したまま塗装してしまうとどうなりますか?

異物が付着したまま塗装してしまうと、以下のような問題が発生します。

外観の不良:
異物が塗装面に残ることで、塗膜に凹凸が生じ、滑らかで均一な仕上がりが損なわれます。
塗膜の耐久性低下:
異物が塗膜に埋まることで、その部分の塗膜が弱くなり、ひび割れや剥がれが
発生しやすくなります。
塗料のムラや色ムラ:
異物が塗装面に存在することで、塗料が均一に広がらず、色ムラや艶のばらつきが発生します。
再塗装や修正の必要性:
異物が混入した塗装は、再塗装や修正が必要になるケースが多くなります。結果的に
作業時間やコストが増加し、全体のプロジェクトの効率が下がる可能性があります。


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