「溶接プロセス可視化システムShield View」は、従来困難とされていたシールドガス、スパッタ、ヒュームの観測を可能にし、溶接プロセスの理解と改善を新たな次元へと導きます。溶接のプロセスを可視化することで、品質の向上、コスト削減、効率化への新たな道を切り開きます。現場のニーズに即した溶接シーンの最適化は、ここから始まります。
CO2溶接
TIG溶接
MAG溶接
これまで困難だった可視化撮影を可能にする「溶接プロセス可視化システムShield View」は、溶接中のシールドガスの挙動をリアルタイムで観察し、乱れの様子を明らかにします。シュリーレン法を基盤にしたこのシステムは、シンプルな操作性を保ちつつ、強力なアーク光を遮断。シールドガスの働きを目に見える形で示します。
溶接中のシールドガスを可視化することは、ブローホールやスパッタの発生を抑制するための最適なガス流量を維持することが可能となります。コスト効率を考慮した最適化の検討に役立ちます。
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「溶接の可視化とは|溶接を可視化するメリットと必要なツールを解説」
「溶接を可視化する」とはどういう事か?何を可視化できる?など可視化の原理やメリット・必要なツールまで解説します。溶接の品質向上、コスト削減につながる”可視化技術”の概要をつかむのに最適です。資料をダウンロードする
レーザー溶接
強力な発光を取り除きスパッタ(ヒューム)の挙動を可視化
「溶接プロセス可視化システムShield View」は、レーザーや母材、アシストガスといった溶接条件から生じるスパッタ・ヒュームの挙動を可視化できます。レーザー溶接では、以下の要素が品質に影響を及ぼします。
これらの課題を克服するため、「溶接プロセス可視化システムShield View」は、アシストガスが引き起こすポロシティやブローホール、ヒュームやプルームの制御、さらにはスパッタの発生タイミングなど、溶接条件を細かく検証し品質向上に貢献します。
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Shield Viewの設置イメージ
拡大イメージ
集塵ノズル、アシストガスノズル位置によって、ヒュームの集塵効果が変わります。「溶接可視化システムShield View」でヒューム自体を可視化することで、最適な配置とアシストガス流量を検証することができます。
事例では、アシスト位置・集塵位置を変えて可視化を行い、最適な条件と不良条件でワークの仕上がりを比較しています。
「スパッタ」は、レーザーによって溶融した金属から発生する数μの微細粒子のことです。金属表面に再付着し、加工品の品質を損ないます。また、作業中の飛散により人体への影響も懸念されます。
一方、「ヒューム」は、スパッタよりさらに小さく蒸気状になった粒子のことを指します。これらは周囲の大気を汚染し、長時間の”ばく露”が健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、切断においてはワークの加工部裏面に付着するスパッタやヒュームは、「ドロス」や「ノロ」と呼ばれます。これらも同様に、付着時には除去工程が必要となり、品質保持のための対策が欠かせません。
「スパッタ」と「ヒューム」の理解と対策は、作業者の健康と製品品質の維持に直結します。適切に管理することで、安全かつ高品質な溶接作業が可能となります。
溶接中
「Shield View」を設置
設置イメージ
溶接トーチを上図のように設置して可視化を行います。「溶接中プロセス可視化システムShield View」はアーク光を除去して、シールドガス、スパッタ、ヒュームを可視化することができます。撮影にはハイスピードカメラを使用することで、複雑な流れを詳細に把握することが可能です。
「溶接プロセス可視化システムShield View」を用いれば、最適なシールド効果を検証し、良好なアーク安定性を保った低スパッタのガス流量を評価することができます。
最適化されたガス流量は、アークの安定性を保ち、精度の高いスパッタ制御につながります。また、品質の高い溶接を実現し、コストも抑えることができます。
溶接作業の品質は、電流値、トーチ距離、そしてトーチの角度など、多数のパラメータに大きく依存します。これら要素のバランスが作業結果の品質を左右します。
①電流値が高くスパッタが発生している
②母材とトーチの距離・角度によりシールド安定性に影響する
「溶接プロセス可視化システムShield View」は、これらの要素を最適化するための強力なツールとなります。シールドガスを可視化することで、その効果の持続性が把握でき、溶接品質の一貫性が実現されます。
通常、生産効率を向上させるためには溶接速度を上げる必要がありますが、速度を上げるとシールドガスの流れが乱れ、溶接品質が低下する可能性があります。
「溶接プロセス可視化システムShield View」による溶接中シールドガスの可視化を行うことで、最適な溶接速度を見極め、生産効率を向上させながらも品質を確保することができます。
製造ラインにおける生産性と品質の双方を追及するための強力なツールとなり、より効果的で信頼性の高い溶接プロセスを実現することができます。
ヒュームの発生と拡散を管理することで、工場内外への環境汚染を検証できます。
また、ヒューム発生のプロセス、流れを確認して適切な防護策を講じることが可能です。作業者の健康リスク低減の検証できます。
レーザー溶接中に発生するヒュームの挙動を可視化し、アシストガスとエアーナイフの条件を変えてその影響を比較しています。
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「溶接可視化:実践編|最適な溶接条件を最速で見つける!」
溶接可視化の実践編では、レーザー溶接を可視化した例を紹介します。溶接ヒュームの可視化を複数の条件で可視化を行い、最適な溶接条件を検討していきます。実際の現場で行った溶接可視化の事例を把握できます。...資料をダウンロードする
TIG溶接中のシールドガスを可視化しました。アルゴンガスの挙動をハイスピードカメラで撮影したスーパースロー映像です。
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集塵ノズル、アシストガスノズル位置によって、ヒュームの集塵効果が変わります。「溶接中プロセス可視化システムShield View」でヒューム自体を可視化することで、最適な配置とアシストガス流量を検証することができます。
事例では、アシスト位置・集塵位置を変えて可視化を行い、最適な条件と不良条件でワークの仕上がりを比較しています。
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Shield Viewの外形寸法と観測エリア
観測エリアの中心点 床からの高さ
モデル | 観測有効径 | サイズ(W×D×H) | 観測エリアの長さ(W) | 重量 ※電源を除く |
---|---|---|---|---|
Shield View | φ100mm | 500mm × 300mm × 319mm | 300mm | 約24kg |
ミラースタンド
対象物が有効観測範囲に収まらない場合、ミラースタンドが有効です。反射ミラーを取り外し、ミラースタンドへ取り付けて設置することで、自由に観測空間を拡張できます。
保護ガラス
光学系(ミラー・レンズ)をヒュームやスパッタから保護します。ガラス基板だけを交換できるため、メンテナンス性に優れた設計です。
※ホルダーは本体に付属します。
ハイスピードカメラ
アーク溶接を可視化して評価する場合には、5000fps~10000fpsの高速撮影が必要になります。溶接現場での雰囲気温度やノイズ環境に応じてご提案いたします。
ハイスピードカメラ-製品ラインナップ
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ヒューム(プルーム)分析と並行して、飛散するスパッタを時系列でカウントすることが可能です。「溶接プロセス可視化システムShieldView」を使って溶接中のスパッタ(ドロス)をリアルタイムで可視化。得られた動画データを「動画画像処理ソフトKM2.0」に取り込み、スパッタ(ドロス)をラベリングし、その数を精確にカウントします。時系列に変化するスパッタ数をグラフ化し、その結果を「スパッタが飛散する映像」とともに出力します。
溶接条件を変えて飛散量を比較することで、スパッタ(ドロス)を最小化するための対策を探りやすくなります。高度な溶接技術の追求に、画像処理に定量化が貢献します。
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溶接作業中に発生するプルームの挙動は、溶接品質に大きな影響を及ぼします。これまで難しかったその分析を、「溶接中プロセス可視化システムShield View」と「動画画像処理ソフトKM2.0」の組み合わせで実現しました。
可視化されたプルームを動画データとして取得。このデータをKM2.0に取り込むことで、一括で画像処理を行い、プルームの面積を詳細に算出できます。時系列で変化するプルームの面積はグラフ化され、直感的な分析が可能となります。
適正なヒュームの集塵
アシスト位置が加工点へ入っていない
アシスト流量が多すぎて集塵していない
「溶接プロセス可視化システムShield View」で撮影された画像は、PIV(Particle Image Velocimetry)による画像解析が可能です。取得した画像を「PIVソフトFlow Expert2D2C」へインポートし、速度ベクトルを算出。対象エリアの流れ場を詳細に把握することができます。
アシスト条件や集塵機条件によるスパッタ挙動の違いを数値化し、見かけ速度を算出することで、ヒュームの制御を画面の変化で都度判断するのではなく、誰でも理解しやすいベクトルマップで表現することが可能になります。
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