信頼性の高い流体計測手法として実績があるステレオPIV(粒子画像流速測定法)を、最新の技術でさらに高精度に。ステレオPIVシステム2D3Cは、様々な流体解析のニーズに応えます。2台のハイスピードカメラにより、3成分速度データ(U, V, W)を正確に測定することができ、緻密な流体解析を可能にします。
ステレオPIVに必要なもの
※実験条件に合わせて最適な構成をご提案いたします。
※上記ステレオPIVに関わる全ての製品をご提案できます。
ハイスピードカメラ
ハイスピードカメラ-製品ラインナップ
ステレオPIVソフトウェア
ステレオPIVソフト Flow ExpertⅡ2D3C
ステレオPIVは2台のカメラを用いたステレオ撮影によって、レーザーシート面内の速度2成分(U, V)に加えて、面外方向速度1成分(Z)の計3 成分を測定する方法です。異なる視点から2つのカメラで粒子の動きを撮影することで、奥行方向の速度情報を取得することができます。
ステレオPIVでは、従来の2次元PIVよりも詳細な流れの解析が可能です。
乱流や複雑な構造を持つ流れの研究に広く利用されています。
ステレオPIVのキャリブレーションでは、ドットパターンが描かれたキャリブレーションプレート(校正板)を使用します。パターンの間隔が既知のもので、2台のカメラでキャリブレーションプレートを撮影した画像から、物体座標と画像座標を関連づけます。これによって、粒子の物理的な位置を求めることができます。
キャリブレーションの手順
(1)キャリブレーションプレートをレーザーシート面(z0)に配置
(2)2台のカメラで、それぞれドットパターンを撮影(2枚の画像)
(3)キャリブレーションプレートを奥行方向へ10画素~20画素相当(例:2mm)移動させて配置(z1)
(4)z1のキャリブレーションプレートを2台のカメラで撮影(2枚の画像)
(5)計4枚のドットパターン画像をソフトウェアへ読み込み、物体座標と画像座標を関連づける
ニ層式片面波型タイプ
カトウ光研が提案するキャリブレーションプレートは、表面が平面(フラット)で、裏面が凹凸面を持つ二層式片面波型タイプです。
凹凸面では、1枚のプレートで2つの位置情報が得られます。これによりトラバース(奥行き方向への移動)操作が不要となり、位置ズレの心配もなく、効率的にキャリブレーションが行えます。
シャインフラグ配置の概要図
シャインフラグマウント
ステレオ撮影では、2台のカメラをそれぞれ斜めに配置する必要があります。斜めの撮影では、対象エリアにピントが合わなくなってしまいます。そこで考案されているのが、シャインフラグ配置という方法です。
シャインフラグ配置では、カメラのセンサー面、レンズ面、レーザーシート面の延長線が一点で交わるように配置します。この条件をシャインフラグ条件と呼び、撮像面全体にわたってピントが合うようになります。
カメラのセンサー面とレンズ面に角度を持たせるために、シャインフラグマウントを使用します。シャインフラグマウントは、センサー面を回転させることで、カメラのセンサー面とレンズ面に角度を持たせることができます。
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「PIV入門ガイド|必要な機材から計測手順までわかりやすく解説」
「PIVって何?」「何ができるの?」「必要な機材は?」などこれからPIVをご検討されている方へ、大まかな概要を掴めるPIVの入門ガイドです。まずはPIVとはどういったものか?ざっくりと把握できます。資料をダウンロードする
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「PIV計測で知っておくべき!トレーサー粒子の基礎知識」
PIVの計測精度に関わる重要なトレーサー粒子についてお調べですか?この資料では、トレーサー粒子を選ぶ時に注意するポイントや特徴をわかりやすく解説しています。まずはトレーサー粒子の概要をつかむのに最適です。資料をダウンロードする
撮影協力:東京電機大学 工学部 機械工学科 高橋 直也 先生
ステレオPIVで 回流水槽に設置した翼型模型(NACA0012)の翼端渦を解析しています。PIVで速度ベクトル(u,v,w)を算出し ポスト処理として発散・渦度・散逸・パワースペクトル密度を算出しました。
カルマン渦をステレオPIVで解析。カルマン渦をステレオPIVで解析。円柱後方で発生したカルマン渦をステレオPIV(2次元3成分)で解析して、速度ベクトルを算出しました。レーザーシート光源で可視化されたカルマン渦を2台のハイスピードカメラで撮影して解析した結果をご紹介します。
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気流を対象にステレオPIVを行った事例です。機器の設置から撮影、解析までの流れを動画で紹介しています。
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撮影協力:東京理科大学 石川 仁 先生 青野 光 先生
ステレオPIVで羽ばたきロボット後方の空気の流れを解析しました。風洞内に羽ばたきロボットを配置して、風速2m/sで空気を流しています。
ステレオPIVによる空気砲の渦輪を解析しています。渦輪が形成された際の流動を定量化した様子です。
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