「カラー溶接カメラシステムCWC-VEO」は、溶接の現場に新たな視覚体験をもたらします。溶接中の溶融池を可視化し、詳細な撮影を可能にするこのシステムは、モノクロカメラでは捉えられなかった、赤熱箇所や火炎の状態をRGBの輝度情報で評価、溶接欠陥の発生プロセスを深く理解することが可能です。カラーハイスピードカメラは強力なノイズ低減機能を搭載し、鮮明な撮影を実現。溶接現象をより詳細に、そして速やかに捉えます。「カラー溶接カメラシステムCWC-VEO」は、溶接の品質向上を追求します。
亜鉛メッキ層を除去している様子を可視化
カラーハイスピードカメラと超高輝度LEDを配置
レーザークリーニングによる、亜鉛メッキ層を除去する様子をカラー溶接カメラシステムCWC-VEOで可視化した様子です。亜鉛メッキ層を除去することで、溶接の性能を高め、美しいビード外観が得られると言われています。また、ポロシティの発生を抑えた溶接が可能です。カラー溶接カメラシステムCWC-VEOで、1秒間に10000枚の撮影を行うことで、メッキ除去の様子を詳細に把握することができます。
ヘアピン溶接を可視化
モーターコイル
EVモーターはヘアピン形状の銅の端子を溶接し、繋ぎ合わせて製造されます。端子の溶け込み不良は溶接強度不足や電気抵抗の要因となるため、EVモーター銅端子のヘアピンレーザー溶接には高い品質が求められます。銅材は溶融すると照明光を吸収してしまい、全体的に黒く発色します。このため、溶融部の状況は、色味により確認できるカラーカメラが非常に有効です。
ハイテン材(高張力鋼)を使用したスポット溶接
モノクロ画像
モノクロカメラを使用した撮影では、溶融範囲の判別や赤熱している箇所の識別が難しいという課題があります。さらに、プルームに由来するプラズマ火炎の存在も捉えられません。しかし、これらの情報は溶接の品質を評価する上で重要な要素となります。
カラーカメラシステムCWC-VEOによる撮影では、モノクロ撮影に比べて多くの評価ポイントで現象を把握することができます。特に不具合が発生した際の、欠陥発生のメカニズムを解明する最適な可視化撮影を実現します。問題の原因を早期に特定し、溶接の品質向上につなげることが可能となります。
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「溶接の可視化とは|溶接を可視化するメリットと必要なツールを解説」
「溶接を可視化する」とはどういう事か?何を可視化できる?など可視化の原理やメリット・必要なツールまで解説します。溶接の品質向上、コスト削減につながる”可視化技術”の概要をつかむのに最適です。資料をダウンロードする
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詳細な観察
モノクロカメラでは捉えられない溶融範囲や赤熱部分の識別が可能。プルームから生じるプラズマ火炎も明確に捉えることができます。
多角的な視点
カラーカメラによる撮影では、モノクロ撮影に比べて多角的な視点から現象を把握できます。溶接の品質評価がより精密に行えます。
欠陥発生のメカニズム解明
問題の原因を早期に特定し、溶接の品質向上につなげることが可能となります。
モノクロでは見えなかった現象の観察
「レーザー誘起プルーム」「赤熱した金属範囲」「スラグの流れ」「溶融と凝固の境界部分」など、モノクロカメラでは見えなかった現象を観察することできます。
お役立ち資料【プレゼンにも使える】
「溶接可視化:実践編|最適な溶接条件を最速で見つける!」
溶接可視化の実践編では、レーザー溶接を可視化した例を紹介します。溶接ヒュームの可視化を複数の条件で可視化を行い、最適な溶接条件を検討していきます。実際の現場で行った溶接可視化の事例を把握できます。...資料をダウンロードする
溶接の可視化をカラーハイスピードカメラで撮影した事例集です。溶融池の様子を発光を除去してスーパースローで撮影しています。また レーザーカッティングによる溶断中の様子も可視化撮影しています。
収録内容
・銅平角線溶接01:ブルーレーザー + IRレーザー(ハイブリッドレーザー溶接)
・銅平角線溶接02:グリーンレーザー515nm 3kW
・SUSフィラー溶接:ダイオードレーザー975nm 3kW
・レーザーカッティング:IRレーザーカット IRレーザー1060nm 3kW
溶接可視化用カラーハイスピードカメラを使って、1秒間に10000枚で撮影。様々な条件の溶接をスーパースローで可視化しています。可視化された映像に画像解析を行うことで「温度解析」「速度ベクトル」を算出。溶接現象を科学的に定量化します。
収録内容
・ガルバノスキャナを使用した溶接可視化
・ファイバーレーザー溶接(ステンレス鋼)
・温度解析(ファイバーレーザー溶接)
・アルミ突合わせ(溶融部の安定性評価)
銅端子のヘアピン溶接を撮影。 溶融部分と凝固部分の境目、プルーム(火炎)の状態を可視化しています。
収録内容
・EVモーター向け銅端子ヘアピン溶接
・SUSレーザー突合わせ溶接
・大電流スポット溶接
超高輝度LED照明
レーザー溶接の撮影では、強力な発光を抑えて溶融部を可視化するために、モノクロカメラを使用してプラズマ発光を消す撮影方法が主流となっています。しかし、モノトーンの描写では火炎(プルーム)や溶融部の輪郭を明瞭に撮影することが難しいという課題がありました。「カラー溶接カメラシステムCWC-VEO」では、「※CDS機能」を搭載することで、超高感度かつ極端な低ノイズ化を実現。これにより、炎を消さずにそのまま溶融部の輪郭を明瞭に撮影することが可能となりました。
さらに、溶接欠陥が発生した際には、従来の輝度情報ではなく、RGBそれぞれの輝度情報による評価ができます。RGB輝度情報の評価により、赤熱箇所や火炎の状態も把握し、溶接欠陥の発生プロセスをより高度に理解することを実現しました。
驚異的な低ノイズと高いダイナミックレンジ:CDS機能を搭載
「カラー溶接カメラシステムCWC-VEO」は、CDS機能(Correlated Double Sampling)を搭載しています。この機能は、黒画像と実画像の2枚の撮影を繰り返し、フレームごとにノイズ除去を行うことで、低ノイズと高ダイナミックレンジを実現します。これは、従来のハイスピードカメラが撮影開始時に一度だけ行っていた黒レベル補正を、フレームごとに超高速で連続実施するという手法です。これにより、驚異的にノイズの少ない、高ダイナミックレンジの撮影が可能になります。
※レーザー溶接の可視化を行う場合、通常10,000fps(毎秒10,000コマ)の高速撮影が目安となります。レーザー加工機ごとに必要とされる仕様や設置条件が異なるため、環境ごとに構成例が変わります。設置用の固定治具など、条件と現場環境ごとに最適なご提案をいたします。
”ハイスピードカメラで温度計測を実現”
サーメラは、ハイスピードカメラで撮影した映像から温度分布を算出します。2色法と呼ばれるアルゴリズムで、可視域の2つの波長の輝度を比較して温度を計測します。放射率補正の必要が無く、スパッタやヒュームのような半透過物質の影響を排除して材料表面の温度計測ができます。
※高速度2色式熱画像計測システムThermera-HS ➡製品ページ
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