気体・液体の流れを可視化|流体可視化について事例と合わせて解説

「気体や液体の流れを可視化」するとは?

レーザーシートによる流れの可視化画像

レーザーシートによる気流の可視化 ※撮影協力:東京理科大学 石川 仁 先生  青野 光 先生

「気体や液体の流れを可視化する」とは、流体を見える化してカメラや目視で観察できるようにすることです。通常は目に見えない現象を可視化することで、シミュレーションでしか評価ができない観測対象を実際の流れから検証することができます。


流れを可視化する目的と重要性

気体や液体の流れを可視化することは、流体の動きや流れの特性を理解しやすくするために行われます。主な目的は以下の通りです。

  • 流れのパターンの把握:
    流体の流れ方やパターンを視覚的に理解することができます。渦、分離、再循環などの流れの特性を識別が可能になります。
  • 理論と実験の比較:
    理論や数値シミュレーションによる予測と実験結果を比較することで、理論の妥当性を評価することができます。
  • 設計の最適化:
    機械や構造物の設計において、流体の流れを考慮する必要がある場合、流れの可視化を通じて最適な設計を導き出すことができます。

気体や液体の流多くの流体は透明であり、その動きやパターンは通常目に見えません。流体を可視化する技術を用いれば、直接的に観察したり、カメラで記録したりすることが可能となります。また、特定の時点での流れの全体像や、流れの特性(例えば、速度や密度)を定量的、または定性的に評価することもできます。

スモークワイヤー法による流れの可視化

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流体を可視化する手法

  • レーザーシート:流体に追従するトレーサー粒子の光の散乱を可視化
  • シュリーレン:流体の密度勾配を可視化

カトウ光研では、レーザーシート光源・シュリーレン装置による流体可視化を提案しています。レーザーシート光源による可視化は、流体に追従する粒子(トレーサー粒子)を散布して行います。レーザー光によって粒子の散乱光を視認します。

一方、シュリーレン装置では流体の密度の違いによる光の屈折を可視化します。これをシュリーレン法といい、レーザーシートのようにトレーサー粒子を必要としません。


レーザーシートによる可視化

PIV Laser(レーザーシート光源)を使った気流の可視化からPIV計測までのイメージ動画です。流体に追従するトレーサー粒子(煙)にレーザーシートを照射、可視化された流れをハイスピードカメラで撮影します。撮影された画像をPIVソフトウェアで解析をして速度ベクトルを算出しています。可視化から解析までのイメージにご参考ください。

撮影した流体画像の輝度情報から、流体の速度を算出することもできます。可視化だけではあくまで定性的な方法ですが、PIVでは流速を数値化して定量的に流体を評価することができます。

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トレーサー粒子を使う

粒子からの光の散乱で流体を可視化する手法では、流れに追従する微小な粒子を使います。これをトレーサー粒子といい、空気や水など流体によって異なる粒子を使用します。トレーサー粒子は、流体を見える化するためのマーカーの役割をします。

気流には主に煙(スモーク)、液体には固体粒子を使う

空気を可視化する場合、空気の流れに追従して運動する煙(スモーク)を散布します。液体の場合には、比重の近い固体粒子を懸濁して使用します。可視化したい対象や撮影の画素数を考慮して、適切な粒子を選択しないと、実際の流れとは異なる見え方をしてしまいます。カトウ光研では、実験条件に応じた最適なトレーサー粒子をご提案しています。

➡流れの可視化・PIV用トレーサー粒子のカタログ一式をダウンロードする


シュリーレンによる可視化

動画では、複数のガスを用意して可視化しています。全て目には見えない無色透明のガスですが、シュリーレンでは可視化することができます。ガス種による密度の違いで、流れの特性を比較することや渦や淀み点など様々な情報を把握することも可能です。

動画内で可視化したガス種
・二酸化炭素 ・水素 ・ヘリウム ・酸素 ・アルゴン ・窒素


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