衝撃波とは
衝撃波(shock wave)は衝突や爆発のような物理現象が起きた際に媒質の急激な圧力変化により生成されます。
物体が音速よりも大きく移動する超音速流(マッハ数>1)で発生する圧力波の一種です。
通常の波のように媒質中のエネルギーを伝播します。
大気中の衝撃波は常に超音速であり、音の速さ(約340m/s高度0m 気温15℃時)より高速で伝播します。
水中の衝撃波は音の伝播速度に倣い(約1500m/s 水圧、温度、塩分濃度によって変化)それ以上の速度で伝播します。


「シュリーレン法」で衝撃波を可視化する
「シュリーレン法」は衝撃波の可視化に最も一般的に使用される技術の1つです。
その適用の容易さから、航空宇宙工学などの研究に幅広く使用されています。
衝撃波は通常目に見えないものですが衝撃波が発生するような密度変化が媒質に生じた場合、それに起因し媒質の屈折率が変化します。
この小さな屈折率の変化を観測し、画像を取得することにより衝撃波を可視化できます。
衝撃波は超音速現象であり、一般のカメラでは捉えきれない速度で伝播するため、伝播状態の詳細に観測するにはハイスピードカメラが最適です。
- 航空機モデルの衝撃波を「シュリーレン法」で可視化した画像
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- 撮影協力︓東洋大学 理工学部機械工学科 藤松先生
「シュリーレン法」とは?
透明な媒質中の光学的不均一性のことをいい、ドイツ語で「ムラ」を意味します。
透明体の中に屈折率のわずかに異なる部分があるとき、光線の進行方向の変化を利用してその部分が明確に見えるようにする光学的手法です。媒質中を伝播する衝撃波や超音波の進行状況を観察することができます。