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デジタル画像相関法(DIC)とは

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デジタル画像相関法(DIC)とは?

デジタル画像相関法(DIC)とは-計測イメージ
デジタル画像相関法(DIC)のイメージ
*撮影した画像からひずみ分布を算出
デジタル画像相関法(DIC)とは-主ひずみε1
主ひずみε1
デジタル画像相関法(DIC)とは_主せん断ひずみγ1
主せん断ひずみγ1

デジタル画像相関法(DIC:Digital Image Correlation)は、カメラで撮影された画像から測定対象の変位を求め「ひずみ」を計測できる手法です。
複雑な光学系やセンサーを設置せず、手軽に非接触かつ高い分解能で面の計測が出来る為、画期的な計測法とされています。


ひずみ計測は「電気抵抗ひずみゲージ」「光ファイバひずみセンサー」など点を測定する力学的センサーが主流です。
しかし、対象物表面の形状やざらつきによりセンサーを安定して貼り付けできない場合や、計測対象が極端に小さい場合など設置やスケールに制限がかかり精度が安定しないこともあります。

対してデジタル画像相関法(DIC)は、撮影された画像から「ひずみ」を計測します。
「ひずみ」を計測するために材料に"ランダムパターン"を塗布して画像から変位を求めます。


ざらついた表面であればパターンを塗布せずとも計測できるため、例えば300℃以上の高温となっている金属の表面など、ひずみゲージで対応ができない場合でも計測することができます。

また極端に小さな部品の膨張収縮を計測したい場合でも、顕微鏡を用いることで計測が可能です。
デジタル画像相関法(DIC)は分解能として1ピクセルの1/10(0.1ピクセル)までの変位を計測できます。

画像計測なので、高解像度カメラを使用すれば非常に高い分解能を持つ2Dまたは3Dの「ひずみ」を求めることも可能です。
計測された位置座標を基に任意のゲージ長でひずみ計測が可能となり、汎用性の高い運用が出来ます。

本ページではデジタル画像相関法(DIC)の原理について紹介します。
デジタル画像相関法(DIC)ソフトウェア DIC Dipp-Strain
高精度・低価格・シンプル操作の国産ソフトウェア

デジタル画像相関法(DIC) ▶目次

デジタル画像相関法(DIC) ▶デジタル画像について

デジタル画像相関法-デジタル画像について①
計測対象となる画像を一部拡大
デジタル画像相関法-デジタル画像について②
各画素の輝度値(カッコ内は座標値)
デジタル画像には画素(ピクセル)が二次元平面状に並べられています。
各画素の明るさは一部の専用フォーマットを除き、モノクロ画像の場合8ビット(256階調)で輝度が数値化されます。
デジタル画像とはこれらの画素が集合したものになります。

デジタル画像相関法(DIC) ▶相関とは?

デジタル画像とは-相関とは①
ランダムパターン(輝度パターン)
デジタル画像とは-相関とは②
類似度から移動先を求める
"画像計測における相関"とは、輝度パターンの相関(類似度)を指します。
デジタル画像相関法(DIC)では、変位移動座標を求める際に同じ座標で別時刻の相関係数を求める公式(相互相関関数)を使用してランダムパターンの類似度を係数で求めます。

撮影されたランダムパターンは画像データ上で256階調の輝度値で数値化されています。
デジタル画像相関法(DIC)ではサブセットで設定された領域のランダムパターンの類似度から移動先を求めます。

デジタル画像相関法(DIC) ▶サブセットとは?

デジタル画像とは-サブセットとは
サブセット内のランダムパターンと
類似度の高い所を探す
サブセットとは相関を取る領域を指します。
画像計測でいうパターンマッチングのテンプレートにあたります。


デジタル画像相関法(DIC)ではランダムパターンを撮影しサブセット内のパターンを次画面のパターンと比較します。
画面間のパターンマッチングにより類似度の高い所を移動先として、ひずみを算出します。

変形前のランダムパターンを変形後の画像の中から求める際の基準画面領域をサブセットサイズと言います。
1つの計測点のサブセットサイズは、一般に21×21pixelの領域で設定します。

デジタル画像相関法(DIC)の精度を高める為には、サブセット領域内に十分なランダムパターンがあることが重要です。

デジタル画像相関法(DIC) ▶ランダムパターンとは?

デジタル画像相関法とは-ランダムパターン拡大
テストピースにランダムパターンを塗布(例:金属引張試験)

ランダムパターンとはデジタル画像相関法(DIC)を行うために、対象物に塗布するパターンのことです。
対象物に塗料を塗布して"斑模様"を描きます。


デジタル画像相関法(DIC)では、計測対象の表面にランダムパターンが必要で、対象物が変形していく時のパターン変化を見て計測を行います。
金属や樹脂の表面に伸縮対応可能なスプレーを使って塗布します。

例として、金属の引張試験ではテストピースにランダムパターンを塗布して計測を行います。
テストピースが引っ張られていくとランダムパターンも合わせて変化します。

透明なガラスやフイルム・樹脂の場合は、カトウ光研独自技術の光学観測法により材料内部の脈理や模様をランダムパターンとして、塗装せずに計測できます。
マーカーレスでひずみ計測を実現 「シュリーレンDICシステム」

デジタル画像相関法(DIC) ▶どのようなカメラを使うか?

デジタル画像相関法とは-ランダムパターン高解像度
解像度が高い(130×105pixel)
デジタル画像相関法とは-ランダムパターン低解像度
解像度が低い(60×48pixel)
デジタル画像相関法(DIC)では撮影画像のランダムパターンを十分に認識するため、解像度の高いカメラを使うことが望ましいです。
また材料破 壊や衝突など、非常に短い時間で形状が変化する様子を計測する際には、変形前後での形状変化を細かく捉えることが出来る高解像度のハイスピードカメラが必要になります。

ステレオデジタル画像相関法(Stereo-DIC)とは?

デジタル画像相関法とは-ステレオDICキャリブレーション1
デジタル画像相関法とは-ステレオDICキャリブレーション2
引用文献:米山聡先生(青山学院大学理工学部)  画像相関法(DIC)による変位・ひずみ測定手順8頁目

ステレオデジタル画像相関法(Stereo-DIC)とは、カメラを2台使用しステレオ撮影をすることで材料表面の3次元形状が算出できる方法です。
2台のカメラで材料のランダムパターンを撮影して、それぞれの画像と空間を関連付けて計測します。


画像と空間を関連付けるためにキャリブレーション(校正)を行います。
きチェッカーボードを使用します。

それぞれのカメラで撮影されたチェッカーボードから仮想投影面座標と対象物空間座標を共線方程式で計算し関連付けます。

ステレオデジタル画像相関法(Stereo-DIC)による三次元座標を計算できることで、水平垂直の二次元的なデジタル画像相関法(DIC)では計測することができなかった曲げ試験や押し出し試験での計測が可能になるほか、金属や電子部品の膨張収縮などの熱変化による変位など三次元的な変形を計測することが可能になります。
ステンレスの"ひずみ"を算出する【デジタル画像相関法 DIC】
デジタル画像相関法(DIC)でステンレスのひずみを算出しています。
カメラ2台で撮影を行う "ステレオデジタル画像相関法" で行いました。

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