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溶接スパッタ可視化システム WS-100

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溶接スパッタ可視化システム
溶接スパッタ可視化システム WS-100
世界初!レーザー溶接中のスパッタ・ヒュームを可視化
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スパッタの可視化とは?

本製品は、溶融箇所でどのようにスパッタ(ヒューム)が発生しているか?可視化撮影ができる光学システムです。
スパッタとはレーザーにより溶融した金属から発生する数μの微細粒子で、大粒な粒子は金属表面に再付着し加工品の品質を下げます。

スパッタより小さく蒸気状になったものはヒュームと呼ばれ、周辺大気を汚染し健康被害の原因になります。
また切断においてワークの加工部裏面に付着したものはドロスやノロと言われスパッタ同様、付着時は除去工程が必要となります。

レーザーや母材、アシストガスなどの諸条件によりスパッタがどのように発生し挙動するか?可視化撮影するだけでなく、画像処理により数値化した評価で最適な条件出しが可能です。

熱影響の少ない高品質な仕上がりのレーザー溶接ですが、プルームやヒュームが原因で焦点シフトが発生し溶け込み不足を起こしたり、光学系やノズルへの付着によるメンテナンスコストが増大したりとスパッタ発生により品質以外にも問題を抱えています。

溶接スパッタ可視化システムでは実測で観察評価ができます。
諸問題が発生している現場環境そのままに、溶接条件の様々な検証ができる唯一の製品となっています

溶接ヒュームと集塵の可視化動画【流れの可視化】
集塵ノズルの位置、アシストガスのノズル位置によってヒュームの集塵効果が変わります。
集塵効果によって変わる溶接の仕上がりを比較画像で紹介しています。

スパッタ・ヒュームの発生状況を可視化

溶接中にレーザーや母材、アシストガスなどの諸条件によりスパッタがどのように発生し挙動するか? 条件出しが可能になりました。
レーザー溶接ではプルームやヒュームによるレーザー出力の減衰が起因する焦点シフトによる溶け込み不足レーザーの高出力化によるスパッタ発生が品質を低下させてしまう問題を抱えています。

実測で観察ができる「溶接スパッタ可視化システム」ではアシストガス由来のポロシティやブローホール、ヒュームやプルームの制御、スパッタ発生タイミングなど品質を向上させる溶接条件の検証ができます。

溶接スパッタ可視化システム 仕様

製品名
溶接スパッタ可視化システム
サイズ(W×D×H) *突起部・反射ミラー部除く
500mm×300mm×319mm
観測有効径
100mm
観測空間部 *開口時の長さ
100mm
重量
約24kg
機器構成
  • 溶接スパッタ可視化システム本体
  • ミラーベース(マグネットタイプ)
  • 光学系保護用ホルダー *ガラス基板交換タイプ

    *撮影部には別途高速度カメラが必要になります。
    アーク溶接の可視化評価をする場合は、5000fps~10000fpsの高速度撮影が必要となります。
ハイスピードカメラPhantom VEOシリーズ
溶接現場での雰囲気温度やノイズ環境に適応したハイスピードカメラ



溶接スパッタ可視化システム オプション

保護ガラス

溶接スパッタ可視化システム-保護ガラス
光学系をスパッタ・ヒュームから守ります。付着物が撮像に影響を及ぼし始めたら交換時期です。ホルダーからガラス基板だけを交換でき、レンズを新品状態で維持できるメンテナンス性に優れた設計です。
※ホルダーは本体に付属します。

溶接スパッタ可視化システム

溶接スパッタ可視化システム-設置イメージ全体
溶接スパッタ可視化システム 設置イメージ(全体)
溶接スパッタ可視化システム-設置イメージ拡大
溶接スパッタ可視化システム 設置イメージ(拡大)

溶接スパッタ可視化システム 用途

①吸塵口にヒュームが適切に吸われている様子

②アシストガス流によりワークを汚染し、吸塵されずそのまま周辺へまき散らされている状況

③アシストガスの位置ズレや流量不足でヒュームが立ち昇り、レーザーの焦点シフトが起きやすい状況

スパッタはレンズに付着するとコンタミ層がエネルギーを吸収し破損につながります。
また、ノズルへ付着すると気流を乱してアシストガスの流量不足を引き起こします。他にも浮遊しているスパッタが加工装置や周辺を汚染し、実は施設内に設置している製造装置などの故障原因になっている事例もあります。

スパッタの発生や飛散を抑制することは、様々な故障要因につながるので、メンテナンス時間を削減し生産効率向上を図る上では不可欠です。

スパッタを可視化してPIV解析(流体解析)

溶接スパッタ可視化システムで撮影した画像をPIVで画像解析ができます。
取得した画像から速度ベクトルを算出し対象エリアの流れ場を把握できる画像解析です。

シュリーレン画像から速度場を解析するのでSIV(Schlieren Image Velocimetry)とも呼ばれます。
見かけ速度を算出してアシスト条件、集塵機条件によるスパッタ挙動の違いを数値化することで、スパッタの制御を画面の変化でいちいち判断するのではなく、誰にでもわかりやすいベクトルマップで表現でき、効率よくデータの判断が行えます。

*PIVについてこちらで解説しています   >PIVとは

*PIV解析に使用するソフトウェアはこちら   >PIVソフト Flow Expert2D2C

*スパッタを可視化するためのレーザーシート光源はこちら   >PIV Laser KLDシリーズ

スパッタの速度ベクトルを算出01
PIV解析で速度ベクトルを算出
アシストガス流量条件、集塵位置などバランスがとれスパッタの制御ができている。
スパッタの平均速度ベクトルを算出
PIV解析で平均速度ベクトルを算出
レーザー溶接の1工程を平均化したデータ1工程での効率化を検証できます。
スパッタの平均速度ベクトル+カラーコンターを算出
PIV解析で平均速度ベクトル+カラーコンターを算出
カラーコンターとの組み合わせで速度が速いエリアを評価。
PIV解析で速度ベクトルを算出0	2
PIV解析で速度ベクトルを算出
アシストガス押しつけで煤が付着
アシストガスで押し付けられた方向へ煤が付着
スパッタやプルームを制御しようとアシスト流量を多くし過ぎてしまい集塵効果が低下。また母材へスパッタが押し付けられ煤が付着してしまいます。
スパッタの速度ベクトルを算出03
PIV解析で速度ベクトルを算出
アシスト位置が加工点へ適正に入らないとスパッタ挙動が制御できず、ノズルや保護ガラスへ影響が及んでメンテナンスが必要になります。

溶接スパッタ可視化システム サンプル動画

レーザー溶接時のヒューム可視化撮影
溶接ヒュームの動きを「溶接スパッタ可視化システム」で可視化。
画像からPIV解析を行い速度ベクトルを算出しています。
レーザー肉盛り溶接の画像処理解析
レーザー肉盛り溶接をPIV解析して、速度ベクトル・流線を算出しています。

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