カラー溶接カメラシステム CWC-VEOシリーズ
プラズマを消さなくても溶融池を撮影できるカラー溶接カメラシステム
モノクロでは実現できない「目視のような臨場感」

レーザークリーニング
「亜鉛メッキ層の除去」を可視化
レーザー溶接の撮影ではモノクロカメラを使用してプラズマ発光を消して撮影することが主流です。
白黒の濃淡の映像は、強力な発光を抑えて溶融部を可視化することに成功しましたが、モノトーンの描写では火炎(プルーム)や溶融部の輪郭を明瞭に撮影できませんでした。
しかしカラーカメラは感度やダイナミックレンジ、ノイズの点で、モノクロカメラより大きく劣っており、溶接はモノクロで撮影することが常識となっておりました。
対して、「CDS機能」というカラーの高速度カメラでありながら、超高感度でありながら極端な低ノイズ化を図ることで、炎を消さなくてもそのまま溶融部の輪郭を明瞭に撮影することに成功しました。
溶接欠陥が発生した際に、従来の輝度情報ではなく、RGBそれぞれの輝度情報による評価により、赤熱箇所や火炎の状態も把握して溶接欠陥の発生プロセスをより高度に現象理解することを実現しました。
- CDS(Correlated Double Sampling)機能とは
- フレーム毎に信号がある時と無い時の出力レベルの信号を取り出し、その差を取ることでノイズを低減させる機能(相関二重サンプリング)ノイズを極端に低減し、感度を引き上げても鮮明な撮影を可能にしました。
カラー撮影が実現したモノクロでは見えない溶接現象
- レーザー誘起プルーム
- 赤熱した金属範囲
- スラグの流れ
- 溶融と凝固の境界部分
- 溶接ヒュームの発生
カラー溶接カメラ撮影事例:EVモーター銅端子 ヘアピンレーザー溶接

EVモーターのヘアピン溶接を可視化した様子
EVモーターはヘアピン形状の銅の端子を溶接し繋ぎ合わせて製造されます。
端子の溶け込み不良は溶接強度不足や電気抵抗要因となることか、EVモーター銅端子のヘアピンレーザー溶接は高い品質を求められます。
銅材は溶融すると照明光を吸収してしまい全体的に黒く発色することから、溶融部の状況は色味により確認できるカラーカメラに優位性があります。

カラーで可視化した様子

モノクロで可視化した様子
- 溶融池の赤熱状態を撮影できる
- モノクロのカメラで撮影した場合、溶融範囲か判別しにくく、赤熱している箇所も識別できません。
プルームに由来するプラズマ火炎も写っておりません。
カラーカメラでの撮影の場合、モノクロで撮影するよりも多くの評価ポイントで現象を把握することができます。
特に不具合が発生した場合に欠陥発生のメカニズムの解明に最適な可視化撮影を実現します。
カラー溶接カメラ撮影事例:直流スポット溶接NASTOA
ハイテン剤(高張力鋼)を使用したスポット溶接を可視化した様子
モノクロのカメラで撮影した場合、溶融範囲か判別しにくく、赤熱している箇所も識別できません。プルームに由来するプラズマ火炎も写っておりません。
カラーカメラでの撮影の場合、モノクロで撮影するよりも多くの評価ポイントで現象を把握することができます。
特に不具合が発生した場合に欠陥発生のメカニズムの解明に最適な可視化撮影を実現します。
カラー溶接カメラシステムCWC-VEOシリーズ 構成
- 設置イメージ
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- 機器構成例
超高輝度専用LED照明
- Phantom VEOシリーズ *カラー溶接カメラ
- 超高輝度専用LED照明
高出力型:白色(6500K) 消費電力:90W 照明部重量:約1kg(電源、スタンド除く)
- 撮影用光学系一式
- 設置用固定治具(カメラ・照明)
レーザー溶接の可視化評価をする場合は、10,000fpsの高速度撮影が目安となります。
レーザー加工機ごとに必要とされる仕様や設置条件が異なるため、環境ごとに構成例が変わります。
特に設置用固定治具については、現場ごとに図面をカスタマイズさせて頂くことが大半となっています。
カラー溶接カメラシステムCWC-VEO 可視化事例
【レーザー溶接の可視化】10000fpsで撮影-レーザー溶接をスーパースロー映像で見える化
新型 溶接可視化用カラーハイスピードカメラ」を使って1秒間に
10000枚で撮影さまざまな条件の溶接をスーパースローで可視化しています
可視化された映像に画像解析を行うことで「温度解析」「速度ベクトル」を算出
溶接現象を科学的に定量化します
- 収録溶接画像
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ガルバノスキャナを使用した溶接可視化
ファイバーレーザー溶接(ステンレス鋼)
温度解析(ファイバーレーザー溶接)
アルミ突合わせ(溶融部の安定性評価)
- 使用機材
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溶接をスーパースローで可視化する【銅端子のヘアピン溶接】
銅端子のヘアピン溶接を撮影。 溶融部分と凝固部分の境目、プルーム(火炎)の状態を可視化しています。
- 収録溶接画像
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EVモーター向け銅端子ヘアピン溶接
SUSレーザー突合わせ溶接
大電流スポット溶接
- 使用機材
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カラー溶接カメラシステムCWC-VEO オプション
溶融池温度計測システム Thermera(サーメラ)
- ハイスピードカメラでの温度計測を実現
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サーメラとは、高速度カメラで撮影した映像から、2色法と呼ばれるアルゴリズムを用いて温度分布を算出します。
2色温度計測法は、可視域の2つの波長の輝度を比較して温度を計測しており、放射率補正の必要がなく、スパッタやヒュームのような半透過物の影響を排除して材料表面の温度が計測できます。
- 数万コマの撮影でも温度計測を実現
- 放射率の補正が不要なため、異なる材料同士の温度も対応
- 近赤外ではなく可視域の波長で温度計測を行うため観測窓越しの計測も可能
カラー溶接カメラシステムCWC-VEO 関連製品
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